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長期映画8本に加えてスピンオフ1本をリリースした「ワイルド・スピード」シリーズ。
2019年には新作「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」が公開され、2021年には20周年を迎える。
これほどワイスピは、ロングシリーズになっているのにもかかわらず、いまだに「ワイルド・スピード(ワイスピ)」の成功に驚く人たちが多くいる。
では、なぜ「ワイルド・スピード」はこれまでに人気なのだろうか?
恐らく、答えは一つではなく、いくつもの要素の相乗効果によるものだろうと推測される。
ワイスピは、観るものに息をつく暇を与えないアクションシーン、最高に美しい世界の都市の雰囲気をも楽しめる異国情緒あふれるロケーション、スリル、ロマンス、そして、何よりも格好の良い車が目まぐるしく、猛烈なスピードで展開するカーレースやカーチェイスの数々に観客(視聴者)は惹き込まれる。
老若男女、世界中のファンが「ワイルド・スピード」の新作を心待ちにしてしまう理由は、登場するワイスピのヒーローたちが見せる強い仲間意識と忠誠心であり、彼らがリアルに体現したワイスピのストーリーにある刺激、真実、信頼に共感できるからであろう。
ワイスピを観たものは、無性にドミニク・トレットの仲間に加わってみたいと思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
著者もそんなワイスピ大ファンの一人であり、ワイスピ・ファミリーの一人であると錯覚しているひとりである。
ワイスピ全シリーズ
ワイスピ全シリーズ
これまで、ワイスピはメインシリーズ8本に加え、スピンオフシリーズ1本が製作されている。
2021年には20周年を迎えるワイスピ本シリーズの今後の展開に期待が高まる!!
□ワイルド・スピード(2001年)
□ワイルド・スピード×2(2003年)
□ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT(2006年)
□ワイルド・スピード MAX(2009年)
□ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年)
□ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年)
□ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年)
□ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年)
□ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年)※
□ワイルド・スピード シリーズ最新作(2020年)
※はスピンオフ
メインシリーズ
ワイルド・スピード(2001年)
場所はロサンゼルス。
凄腕ドライバーのドミニク・トレットは、夜な夜な行われるストリート・レースに興じる一方で、長距離トラックを狙う強盗団のボスとして、ドミニクは犯罪を重ねていた。
ある日、彼の前に白人青年のブライアン・オコナーが現れドミニクにレースを挑む。
やがて、レースや車いじりを通して「ファミリー」として親密になっていく2人であったが、ブライアンの正体はロス市警の警官で、連続車両強奪事件の潜入捜査の為にドミニクに接触していたのであった。
ドミニクらファミリーに対する友情に加え、ドミニクの妹であるミア・トレットと恋仲となったブライアンは、ドミニクが強盗犯である事実をつかむものの友情と職務との間で葛藤する。
そして最後にはドミニクとの友情、そして彼の家族であるミアを悲しませたくないという思いから、警察の身分を追われることを覚悟した上で彼の逃走を手助けするのであった。
ワイルド・スピードX2(2003年)
ロサンゼルスでの一件によりロス市警を追われ、ドミニクの逃亡を幇助した罪で指名手配犯となったブライアンは、マイアミでストリート・レーサーとして名を馳せていた。
しかし、一斉取り締まりによりブライアンは敢え無く、FBIに逮捕されてしまう。
連行先には旧知の捜査官が居り、ブライアンは犯罪歴の帳消しと引き換えに、貿易商を装う国際的麻薬密売組織への潜入捜査の話を持ちかけられる。
ブライアンは、旧友のローマン・ピアースをパートナーに指名し、二人で潜入捜査を開始する。
組織のボスカーター・ベローンが主催した過酷なカーレースを勝ち抜き運び屋として組織に潜入した2人は、間も無くベローンより大量の現金を運ぶミッションを与えられる。
多数のパトカーとのカーチェイスを経てベローンの元へ辿り着くブライアンであったが、もとより2人の抹殺を目論んでいたベローンはブライアンに銃を向ける。
しかし、遅れて到着したローマン・ピアースの活躍によってベローンは捕らえられ、2人は無事犯罪者としての過去を清算した。
ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT(2006年)
カリフォルニアの高校生、ショーン・ボスウェルは大の車好きであったが、これまでに2度ストリート・レースで事故を起こし、そしてとうとう3度目を起こしたことで少年院行きの危機となった。
ショーンはこれから逃れるため、在日米軍として日本・東京に住む父の元へと引っ越す。
そこで同じくアメリカから留学してきたトウィンキーと出会い、ドリフト・レースの世界を知ることとなる。
都内のレースを取り仕切るタカシとの戦いに敗れるショーンであったが、タカシ(D.K.)のパートナーであるハン・ソウルオーに見初められ、ドリフトの特訓を受ける。
やがてタカシを敗るまでに上達したショーンであったが、これを訝しんだタカシはハンが裏切っていたことを知り激怒、2人をレースに参加させハンを事故死に追い込む。
ハンの復讐としてタカシに再戦を挑むショーンは、仲間の力を借りながら父の車を整備し、そして不利な条件下にも関わらず進化したドラフトテクニックをもってタカシを打ち負かした。
ワイルド・スピード MAX(2009年)
ブライアンの手引きでロサンゼルスを逃れ指名手配犯となったドミニクは、恋人レティ・オルティスを始め、ハンやテゴ・レオ、リコ・サントスとともにドミニカで燃料タンク車を強奪していた。
やがてそこにも捜査の手が拡がったことで、レティを守るために彼女の前から姿を消し強盗チームを解散する。
だがその後、レティが殺されたという知らせを妹のミア・トレットから聞いたドミニクは、復讐の為にロサンゼルスに戻る。
復讐相手の手掛かりとなるニトロ搭載車へと行き着いたドミニクであったが、そこでマイアミの一件をきっかけにFBIの捜査官となったブライアンと鉢合わせる。
ブライアンもまた麻薬組織捜査のため、ドミニクの標的と同じ人物を追っていたのだ。
標的は同じでも立場も目的も異なるため別々に行動することとなった2人は、麻薬組織のボスであるアルトゥーロ・ブラガが仕切るストリート・レースにそれぞれ参加し、腕前を見せつけて組織の運び屋として潜入捜査を開始する。
捜査の中で、ドミニクはレティが、ドミニクの犯罪歴抹消と引き換えにFBIの潜入捜査に加わっていたことを知り、レティの死を自身の責任と語るブライアンはブラガの逮捕と引き換えにドミニクの前科抹消を上司に懇願する。
やがて2人は、ブラガとその部下でレティを殺害した犯人であるフェニックス・カルデロンをカーチェイスの末に追い詰め逮捕に成功。
しかし、約束に反しFBIはドミニクを逮捕してしまう。
懲役25年という判決を言い渡されたドミニクは、刑務所へ護送される。
その護送車の周りを数台の車が取り囲むのであった。
ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年)
ブライアンは自身との約束を反故にしドミニクを逮捕したFBIを離反し、ミアらとともにドミニクを乗せた護送車を襲ってドミニクを救出。
これにより彼らは国際指名手配を受ける。
ブラジルのリオデジャネイロに逃亡したブライアンとミアはかつての仲間ヴィンスと再会。
麻薬取締局が押収した車の窃盗の仕事をする事になり、そこにドミニクも合流するが、仲間の裏切りにより襲われてしまう。
その理由は、ドミニク達が盗んだ車に隠されたリオで最も強い権力をもつ悪徳実業家エルナン・レイエスの闇金の流れを記録したマイクロチップにあった。
そんな中、ミアがブライアンの子を身籠もった事を知ったドミニクは、妹が過去を消して家族で静かに暮らすために必要な資金と資格を得る為に、レイエスの闇金1億ドルを強奪する計画を立てる。
計画遂行のため、マイアミでブライアンを手助けしていたローマンやテズ・パーカー、ドミニクのドミニカ時代の仲間・ハン、レオ、サントス、ブラガの元部下ジゼル・ヤシャールなど様々な分野の凄腕がリオに集結。
一方で、彼らファミリーを執拗に追う米DSS捜査官ルーク・ホブスやレイエスの手下といった追っ手が迫る。
一旦はファミリーを捕らえたホブスであったが、レイエスの手下に部下を殺されたことやレイエスとの癒着に甘んじるリオ警察に対峙するため一時的にドミニクと協力関係を結ぶ。
警察署内にあるレイエスの金庫を奪ったドミニクとブライアンは、金庫を引きずりながらリオ警察やレイエス一味とのカーチェイスでリオの市街を駆け抜ける。
決死の策略により追っ手を殲滅したドミニクは、ホブスと再戦を誓い合い仲間の元へ戻る。
1億ドルを手に入れたファミリーは、やがて思い思いの人生をスタートさせる。
これを最後に足を洗うと決めたブライアンはドミニクとの最後のレースに挑むのであった。
ワイルド・スピード EURO MISSION(2013年)
ドミニクは元警察官である新たな恋人エレナ・ネベスと、ブライアンはミアとその間に生まれた息子ジャックと共にそれぞれ静かな生活を送っていた。
そんなある日、モスクワにて軍隊が襲撃され、何億円もの価値をもつチップが奪われる事件が発生する。
これには元英特殊部隊のオーウェン・ショウが率いるヨーロッパを拠点に大きな犯行を繰り返す国際的犯罪組織が関わっており、かねてよりオーウェンを追跡していたホブスは、組織壊滅の協力を要請するためドミニクを訪ねる。協力を渋るドミニクだったがホブスに手渡された捜査資料を読み驚く。
そこには死んだはずのレティの写真があった。
ドミニクは真相を確かめるため、そして自分らのこれまでの罪を帳消しにする事を条件にホブスへの協力を了承。
ブライアンを始めファミリーを再招集しイギリスを拠点に活動を始める。
軍の通信網を24時間遮断する特殊装置「ナイトシェード」の完成を目論むオーウェン一味との攻防の最中、ドミニクは組織の中で死んだはずのレティが活動していることに気づいたドミニクは激しいカーチェイスの末その車を追い詰めるが、レティは躊躇なく発砲し逃走する。
ブライアンは服役中のブラガと接触するため囚人として刑務所に潜入、そこでブラガからオーウェンがCIAや麻薬取締局を権力下に置いていることやレティが記憶喪失となっているがためにオーウェンに利用されていることなどを聞き出した。
ブライアンと合流したドミニクらは「ナイトシェード」の最後の部品であるチップがあるスペインNATO基地に向かう。
オーウェンの戦車とのカーチェイスを経てオーウェンを拘束することに成功するも、逆にミアを人質に取られてしまったため、チップを渡し逃走を許してしまうのであった。
輸送機で逃走を図るオーウェン一味であったが、ローマンやホブスらが機体を引き摺り下ろしドミニクとブライアンが機内に乗り込む。
格闘の末、オーウェンを倒しドミニクらが脱出した直後機体は炎上。
こうしてミッションを果たしたファミリーは全ての犯罪歴を抹消、ドミニクは元のロサンゼルスの自宅へ戻るのだった。
ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年)
レティを取り戻すことに成功したドミニクであったが彼女の記憶は未だ戻らず、レティとの関係に苦悩する。
また、ブライアンもミニバンで息子のジャックの送迎を行うといった平穏な日々に順応できず、かつての刺激を恋しく思うことをミアに打ち明けるのだった。
ミアは2人目の子供を身ごもっていたが、ブライアンをより束縛してしまうのではないかと妊娠の件を打ち明けられていないことをドミニクに吐露する。
一方DSS本部では、かつてMI6に在籍していた元英特殊部隊員デッカード・ショウがホブスのオフィスに侵入、PCをハッキングしていた。オーウェンの兄であるデッカードは弟の復讐のためホブスの端末からファミリーの居場所を探知、手始めにホブスに手傷を負わせ去っていく。
そして東京に移り住んでいたハンを事故に見せかけて殺害し、更にドミニクの自宅に爆弾を送り届け家を木端微塵にした。
入院しているホブスから情報を手に入れ仲間の命を狙うデッカードを打倒することを決意し、東京にてハンの遺品を受け取ったドミニクは、アメリカでのハンの葬儀中に現れたデッカードを追い一触即発となる。
しかし、そこにミスター・ノーバディ率いる特殊部隊が突如現れデッカードは逃走する。
ミスター・ノーバディはドミニクに対し、民間軍事組織に捕えられたハッカー・ラムジーの奪回を依頼する。
ミスター・ノーバディの提案はラムジーが開発した世界中のありとあらゆる情報機器より瞬時にデータを入手することのできる監視プログラム「ゴッド・アイ」が目的であり、その奪回に成功すればそれを利用してのデッカード打倒に協力するというものであった。
ドミニクは了承し、再び召集したファミリーと共にアゼルバイジャン山中で移動していた車両部隊へ空からの急襲をかける。
作戦の結果無事ラムジーを奪回するも、「ゴッド・アイ」は既にヨルダン王子の手に渡っていることが判明。
すぐさまヨルダンへ向かい彼の車に搭載された「ゴッド・アイ」を車ごと手に入れたファミリーであったが、デッカードの攻撃に遭い「ゴッド・アイ」を奪い取られてしまうのだった。
ロサンゼルスに戻ったファミリーは地の利を活かし、ホブスの援護を受けつつもデッカードらの攻撃に応戦し勝利。
レティの記憶が戻り、ドミニクとの結婚が明かされた。
それからしばらく経ち、ファミリーは砂浜で平和なひと時を過ごしていた。
ミア、ジャックと戯れるブライアンが「家庭」という新たな居場所を見つけたのを見届けたドミニクは独りその場を立ち去る。
「何を言わずに行くのか」と後を追うブライアンとしばし並走した後、分岐路を迎えた2台の車はそれぞれ別々の道を進むのであった。
ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年)
ドミニクはレティと共にキューバを訪れ、ハネムーンを楽しんでいた。
ある日、サイファーと名乗る女性がドミニクに接触する。
サイファーはドミニクのかつての恋人・エレナと、彼女とドミニクとの間に生まれた息子の写真を見せ、自身の計画に参加するよう要請する。
その後、ホブスの招集によりベルリンに集合したファミリーは、武器商人の施設から電磁パルス砲を奪う任務を遂行。
しかしその帰路、突如ドミニクがホブスを攻撃し電磁パルス砲を持ち去ってしまったことで失敗に終わる。
ミスター・ノーバディの手引きを受けたデッカードやリトル・ノーバディを新たに加えたファミリーは、サイファーが世界中のコンピュータを意のままにできるテロリストであることを知らされ、彼女を阻止するために動き出すが、そこにサイファーの手先となったドミニクが現れ「ゴッド・アイ」を奪っていく。
ドミニクが裏切りサイファーの手先となってしまったことを知ったファミリーは、ドミニクの奪還を試みるもそれを尻目にドミニクはニューヨークにてロシア国防大臣から核ミサイルの発射コードを奪い、デッカードを射殺して逃走。
しかし、目の前に現れたレティに足が止まってしまう。
最終的にサイファーの元にコードを届けたものの、サイファーはレティとの件への見せしめとしてエレナを殺害してしまう。
ドミニクとその動きを察知したファミリーはロシアのウラドビンへ渡る。潜水艦を乗っ取りミサイルを発射しようとするドミニクであったがファミリーはそれをすんでのところで阻止。
そしてドミニクは不意を突いて仲間を襲いファミリーと合流する。
サイファーは潜水艦を操りファミリーを追い熱弾道ミサイルを発射するが、ドミニクの機転によって潜水艦を破壊される。
母マクダーレン・ショウやオーウェン、ドミニクとの策略によって死を装っていたデッカードはオーウェンとともにサイファーの飛行機を奇襲。
ドミニクの子供を助け出すとともにサイファーに攻め寄るも、サイファーはパラシュートによって脱出した。
ニューヨークに戻ったドミニクらファミリー。
祝杯をあげるファミリーの前で、ドミニクは息子・ブライアンを紹介する。
スピンオフ
ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年)
ある日、DSSを辞めロサンゼルスで娘と暮らすホブスと、ロンドンのデッカード・ショウにCIAからある人物の保護要請が伝えられる。
ロンドンにて何者かが殺人ウイルス「スノーフレーク」を奪い行方を眩ませたという。
その正体はMI6エージェントでデッカードの妹であるハッティ・ショウであった。
しかし、それはフェイクの情報で、実際は科学テロ組織「エティオン」の戦士ブリクストンらが起こした事件であり、ハッティはエティオンにウイルスが渡るのを阻止するためウイルスを自身の体内に注入しその場から逃走していたのであった。
当初はかつて敵同士であった経緯から協力関係を結ぶことを拒絶しながらも、組織に人体改造を施され超人的な力を得たブリクストンの前に苦戦を強いられる中で次第にバディとして息を合わせていくホブスとデッカード。
また、デッカードは疎遠になっていた妹・ハッティとの関係も修復させ、ホブスもウイルス抽出装置を修理するために訪れた故郷・サモアで、かつて行き違いから喧嘩別れしていた親兄弟と再会し和解する。
サモアでの決戦では地の利を生かした肉弾戦で圧倒するホブスたちであったが、ブリクストンはヘリコプターでの逃走を図る。
ホブスとデッカード、ジョナらホブス兄弟はレッカー車でヘリを追い、フックでヘリを捕らえ直接対決に挑む。ブリクストンの超人的能力の前に苦戦する2人であったが、息の合ったコンビネーション攻撃を駆使して徐々にブリクストンを追い詰める。ダメージを負い戦闘不能となったブリクストンに対し、ホブスとデッカードはテクノロジーより「人を信じること」が強さだと説くのであった。
ハッティのウイルスも抽出が完了し、無事ウイルスの拡散を阻止したホブスとデッカード。
彼らに対し、ヘリーのスピーカーを通してエティオンの「指導者(ディレクター)」が宣戦布告する。